技術を分かち合い、進化をともに。五つの事業が融合する立山科学。
立山科学株式会社
総務部 執行役員 篠原 おりえ
富山県生まれ。富山大学工学部卒業。
2000年 立山科学工業株式会社(現:立山科学株式会社) 入社。
2008年 同社技術本部にて技術開発を担当。
2018年 同社総務部の人事担当として中途採用業務に従事。
2021年 総務部 執行役員就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
異業種の多様な強みが集まり成長してきた立山科学グループ。
立山科学は国内7社と海外3社の計10社で構成される立山科学グループの代表会社です。1958年に立山科学工業としてスタートし、一般的な電子機器に広く利用される炭素被膜抵抗器を作る事業を始めました。
大量生産が必要な電子部品のため、自社で機械の設計・製造・メンテナンスを行う中で各部署が力をつけて独立・分社化し、グループ内10社ができ上がっていきました。
1社からスタートしていることもあり、グループのつながりは非常に深いです。経営理念や制度・規則はグループ内共通で皆が同じ方向を見て仕事をしていて、グループで1社といっても過言ではない関係性です。
立山科学グループには、IT・電子部品・電子機器・生産装置・金属部品という五つの事業があり、異業種集団として幅広い分野に対する製品を提供しています。
分社化してそれぞれの事業をしっかりと築き上げつつも、時には連携して技術を融合させながら事業を展開しているのが大きな特徴です。
技術専門職から人事へ。経験を活かし新たな一歩を踏み出した。
私は生まれも育ちも富山県で、大学卒業まで県内で学び、2000年に立山科学へ新卒入社しました。工学部で材料や金属を研究しており、その専攻が役立てられる就職先を探していたところ、理系全般で幅広い事業をしている立山科学に魅力を感じたのが決め手でした。
入社後は電子部品の技術部に所属し、製品ラインナップの拡大や性能向上を目指して電子部品の試作・試験業務に携わりました。その後、2008年に立ち上げられた、今後の製品化・実用化を視野に入れた先進的な研究を行う技術本部に異動。グループ全体の技術開発を担い、今すぐ実現が難しいことや1社だけではできないことをテーマとして設定し、実用化や量産化を目指します。
私は金属ナノ粒子やフレキシブル電極シートなどさまざまなテーマを扱い、なかなか成果につながらない場面もありましたが、材料や条件を変えて何度も実験をする地道な作業がとても楽しかったことを覚えています。
技術本部には10年在籍し、その間に2回の産休・育休を経験しました。そして2018年に総務部の人事担当となり、今に至ります。従来の人事部門には技術経験者が少なく、理系の学生や中途入社を希望する方に技術的な話ができる人材を求めていました。
長く開発に携わっていた中での異動で、「自分にできるのだろうか」と不安に思った部分もありましたが、まずは挑戦してみようと社内転職のような気持ちで人事担当になりました。
ライフステージを問わず、誰もが働きやすい職場を目指して。
人事担当はそれまでの仕事とまったく違うことも多かったのですが、やってみるといろいろな人に出会って自社の魅力を伝えるのは非常に楽しいと感じました。
また技術開発ではデータをもとに理論的に進める側面が強いですが、採用は縁やタイミングも関係する仕事で、目には見えない何かを感じる瞬間があるのは面白いです。
当社の人事部門はグループ横断型です。応募いただいた方のスキルや経験なども勘案しつつ、「グループ各社にあるさまざまな部署の中で、この方にとってどこが最適だろう」と常に考えています。
近年ではリーダーとなる人材の育成をするため、幅広い職種を経験できる体制や新しいことにチャレンジできる仕組み作りに取り組んでいます。そのため、教育体制の見直しなどにも力を注いでいます。
加えて、女性活躍の推進をしている点も当社の特徴です。製造業では女性の数自体が少ないですが、その少数派の人たちから見て働きやすくする取り組みは、グループ全体にとって良い影響があると思っています。
子育てなどでライフステージが変化しやすい女性がいきいきと活躍できる会社は、男性にとっても働きやすい会社になるという信念のもとで取り組みを進めています。
私自身、技術本部にいた頃に2回の産休・育休を取得しましたが、その部署で産休を取る社員は私が第一号でした。しかし周囲のあたたかい支えや理解があり、無事に復帰して今では勤続25年となりました。
当社は女性活躍推進を掲げる以前の2000年代から、産休の復帰率が100%の会社です。また男性の育休取得率も70%以上と、高い水準を保っています。
女性がしっかりと役割を持ち、復帰後も自らの力を活かせる場所があるので、子育てをしながら安心して働ける会社を探している方には男女ともにぴったりだと思います。
半歩先の未来を共に描ける仲間を──立山科学が求める人材像とは。
当社が求めるのは、グループの経営理念「私たちは堅実経営に徹し 社会の発展に貢献することを使命とし 全員が感謝と尊敬の心で協力し合い 常に半歩先の未来を実現する」に共感し、同じ方向を見て進んでいける方です。
社会の発展に寄与したり、少し先の未来を実現につなげるには新しい挑戦が不可欠です。時には自社だけでなく、グループ内で協力する必要もあるでしょう。
現在はグループ企業間で連携する体制を整えつつあるので、垣根を越えて新しいものを生み出す意欲のある方にはぜひ仲間になっていただきたいですね。
多くの部署はチームで仕事に取り組むため、課題を自分ごととしてとらえ、自分にできない部分は素直に周囲の人に聞いて巻き込んでいける方も歓迎します。高い目標を持って前向きに進んでいける方は、きっとグループに良い風を吹かせてくれるのではと思います。
IT・電子部品・電子機器・生産装置・金属部品の五つの事業があり、職種も豊富にありますので、「どれが自分に合っているのだろう」と迷う方も気軽に相談してください。
立山科学グループはすべて合わせると千名規模の組織で、安定した経営基盤があります。一方でそれぞれのグループ企業は中小企業のため、各自の仕事で任せられる範囲が広く、チャレンジを通してスキルをどんどん積み上げていける環境です。
また、意見を発信すれば聞いてもらえ、「やってみたら」と背中を押してくれる職場風土が各社共通であります。安定したバックグラウンドの中でも、独立した各社でチャレンジングな取り組みができる点では、富山県でも珍しい企業ではないでしょうか。
異動と交流が生み出す価値。グループ一丸で次のステップへ。
人事担当として、また経営に携わる役員として私が考える今後の展望は、部署異動の活性化を促すことです。
これまでは各社が得意分野の事業を積み重ね、技術を磨いてきました。しかしこの先の時代はその技術を融合させ、グループとしての強みを出すステップに進む必要があると思います。
もちろん、専門職として一つの分野を極めることも大切ですが、私自身まったく違う部署に異動して感じたのは「別の仕事をやってみたら新しい世界が広がった」ということです。
できることやスキルの幅が広がれば、新しい技術や製品が生まれる可能性もあります。会社をまたいだ異動や社内で横断的に異動する人が出てくれば、組織がもっと強くなるでしょう。
そこから経営の視野を持った人材も育つと考えますので、グループ企業間・部署間の交流はますます強化したいですね。
幅広い技術を持つ立山科学グループは、お客さまのニーズにあわせてオーダーメイドで機械やソフトウェアを作るなど、実現できることが他社より多いのが大きな特徴です。
これからも「富山から世界へ」の想いを胸に新分野への挑戦を続け、グループ一丸となって最先端の技術開発とものづくりにまい進します。