転職成功者インタビュー

株式会社協和製作所
金谷葵さん(仮名・営業) 36歳

安心して新たなチャレンジができるのも、暮らしやすく、子育てしやすい環境だからこそ!

大手自動車メーカーに10年間勤めた金谷さんは、子育てに専念するために退社し、神奈川で専業主婦をしていた。しかし突然、夫が脱サラを宣言。独立・開業するまでに1年間修業しなければならないという。

「ならば、自分が働くしかない」と心を決めた金谷さんは、実家がある富山県での転職を選択。実家が近くにあれば、家事や子育ての面で心強いと考えたからだ。

ところが活動は難航。子どもを抱えていることが敬遠されたのか、面接にすら進めない日々が続いた。しかし、転職を諦めかけた金谷さんに関心を持ってくれたのは、なんとどこよりも実家に近い会社だった―。

生活環境を重視し、未経験の職種へのチャレンジを決めた金谷さんに、お話をうかがった。

※本記事の内容は、2017年7月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで120日間

転職前

業種
自動車メーカー
職種
技術開発職
業務内容
大手自動車メーカーに勤務。特許調査や特許発掘活動等の知的財産管理業務を経験後、シートや内装の先行開発業務を担当

転職後

業種
鉄鋳物メーカー
職種
営業職
業務内容
鋳物技術を使ったオーダーメイドの機械部品のルート営業

私のプロフィールを持って 、県内の企業にあたってくれたコンサルタントに感謝。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

富山県高岡市に本社がある鉄鋳物メーカーで営業をしています。年商46億円、100人規模の会社ですが、北は山形から南は広島まで事業展開しており、鋳物技術を使った機械部品を製造しています。

取引先は建設機械、産業機械、ロボット、印刷機など幅広く、さまざまな機械に当社の部品が使われています。

既製品ではなく、すべてオーダーメイドの受注生産で、その窓口となるのが私たち営業の仕事です。取引先を定期的に訪問し、「こんなものを作ってほしい」という要望をいただいたら、見積もりを作成。また納品後も電話やメールで対応していきます。

入社前のご経歴を教えてください。

東京の大学を卒業後、自動車メーカーで10年間働きました。最初の4年半は知的財産を管理する部署で、特許調査や特許発掘活動などを経験。あとの5年半はシートや内装の先行開発に取り組みました。その後、子育てに専念するためにに退職し、専業主婦をしていました。

転職のきっかけは?

大きなきっかけは、主人の“脱サラ”です。「会社を辞めて、クラフトビールの工房を始めたい」と言い出したんです。前々からそういう気持ちがあることは知っていましたし、私が何を言っても聞かないのもわかっていましたから(笑)、反対はしませんでした。

ただ問題は、「どこで開業するか」。最初は神奈川で開業しようと考えていたのですが、「やっぱり、どちらかの実家に近いところがいい」と、私から提案したんです。

開業するために1年間は修業が必要ということでしたから、その間は私が働かないといけません。となると、子どもの世話をサポートしてもらえる実家が近くにあったほうがいいと思ったんです。

神奈川に自宅も買っていたのですが、二人で話し合った結果、私の地元である富山へのUターンを目指すことになりました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずは転職サイトにエントリーしました。希望職種は、知的財産関連。専門的な仕事ですが、最初は神奈川で探し始めたので需要はあると思っていました。実際、オファーメールはけっこうきましたが、私の状況を説明すると、すべて断られてしまいました。

一番の問題は、私が一人で育児と仕事を両立しなければならないこと。中途入社は会社側としても即戦力を求めているのに、残業や出張ができないことが前提では、決まらないのも無理はないと自分でも思いました。

そこで、実家のサポートが見込める富山で探し始めたのですが、今度は知的財産の求人がなかったんです(苦笑)。ですから、リージョナルキャリア富山のコンサルタントには、「なんでもいいので、いい話があったらよろしくお願いします!」とお願いしました。

それでも2か月くらいは紹介がなく、半ば諦めかけた頃に「経歴に興味を持ってくれた会社があります」という連絡が入りました。それが今の会社です。内定をもらえた時は、とてもホッとしましたし、コンサルタントの方もとても喜んでくれました。

実は、私のプロフィールをいつも頭の片隅に置いてくれていたそうで、たまたま今の会社に飛び込みで営業にいった時に、ピンときたらしいんです。私のことを紹介してみよう、と。本当に感謝しています。

今の会社に決めたポイントは?

まずは私のことを「採用したい」と言ってもらえたことですね。それまで面接にすらたどりつけなかったので、本当に嬉しかったです。

しかも、それまで応募したどの会社よりも実家から近く、5キロくらいの場所でした。また面接の印象も非常に良く、真面目な良い会社だと感じました。

営業は未経験でしたが、面接で「経験がなくても大丈夫」と言ってもらえたことも、入社を決めたポイントでした。自分ももう37歳。この歳で新しいことにチャレンジさせてもらえるなら、やってみようと思ったんです。なにごとも、やってみないとわからないですからね。

大企業にいた頃よりも、視野が広がった。親になり、富山のすばらしさも改めて実感。

転職していかがですか?

入社後はまず3か月間の研修があり、しっかりした会社だと改めて思いました。鋳物について勉強する研修は、とても楽しかったですね。

その後、営業に配属。最初は近場の取引先から担当を始め、最近になって北関東の取引先を何件か引き継ぎました。今は月に1回出張しながら、営業活動をしています。

といっても、すべてが初めての経験なので、毎日が勉強の連続です。売り込むタイプではなく、対処・調整タイプの営業ですが、お客様によって対処方法がまったく異なります。そこはすごく大変だと感じており、上司からは、「場数を踏むしかない」と言われています。

ただ、この歳で新しい職種と出会ってチャレンジできるのは、貴重なことだと思っています。

転職して良かったと思うことは?

自分の視野が広がったことです。前職では、会社の規模が大きかったため、「自分の持ち場」や「自分の仕事」しか見えていませんでした。ましてや、会社の経営のことなど、考えたこともありませんでした。

でも今の会社は、社員全員が会社のことを考えています。以前とは意識がまったく違いますが、この環境の方が自分自身も鍛えられるし、成長できるのではないかと感じています。

生活面の変化はありましたか?

実家のすぐ近くに自宅を購入しました。朝は子どもと一緒に家を出て、放課後は実家で子どもを預かってもらっています。18時半頃迎えに行き、そのまま実家で夕食を食べて帰ることも多く、助かっています。仕事から帰ってきたら美味しいご飯が待っているという、今まで味わったことのない幸せを感じる毎日です(笑)。

ただ、子どもと過ごす時間は減ったので、そのケアが課題でしょうか。方言の問題もあって、こちらの学校に馴染むのに少し時間がかかったようです。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

未経験の世界に飛び込むのは勇気が必要ですし、実際、最初は大変です。でもこの歳で新しいチャレンジができるのは貴重なことだと私は思っています。

今の仕事が、10年後20年後に、胸を張って「自分の仕事だ」と言えるように、頑張りたいですね。

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